歯科で行われるインプラント治療

   

歯科で行われるインプラント治療とは、何らかの原因(多くはむし歯と歯周病)で歯が抜けてしまった場所にインプラント体(ほとんどの場合純チタンを使用)を手術によって埋め込み、それが顎の骨としっかりと結合した後に、その上部に歯の形をした人工修復物を装着して、歯・口腔の機能回復をはかる一連の治療を言います。

従来、歯が抜けてしまったところには、取り外しのできる入れ歯や、抜けた歯の両隣りの歯を削ってかぶせてつなげてしまうブリッジのいずれかが選択されていましたが、近年、インプラント治療の進歩と、患者さんサイドのニーズの高まりとがあいまって、いわば第3の選択肢として臨床に多く取り入れられるようになってきました。

その利点として、外して清掃するという煩わしさがなく、天然の歯とほぼ同じように噛めて、しかも違和感がなく、発音及び審美性に優れています。さらにブリッジのような両隣りの歯を削る必要がありません。一方欠点としては、手術が必要、治療期間がかかる、コストが高い、天然歯に比べて感染しやすい等が挙げられます。

インプラント治療を行うにあたっては、歯周病、むし歯、咬合異常等の処置がなされていること、糖尿病等の全身疾患がないこと、インプラント体が埋入できるだけの骨の質と量があること、メインテナンス(歯磨きや定期検診)がしっかりできること等の条件が求められます。

従って、誰もがすぐに「歯が抜けた」から、インプラント治療を受けられるというものではありません。患者さんのお口の条件は、まさしく千差万別であります。インプラント治療が、はたして自分自身に適しているのか、主治医と相談し、利点・欠点を他の治療法(入れ歯やブリッジ)と比較したうえで決められることをお勧めします。